【ACOH-S 通信 NO.112】必要な時期に必要な師に出会えるようになっている。(ふっちゃん)
「太極拳やらない?楽しいよ。」と、声をかけて来たのは小学校からの幼なじみでした。
聞けば数ヶ月前から太極拳教室に通い始めて色々と身体を整えているとの事で、自分で調べてこれはと思った教室に申し込んで入会したとのこと。(ああ、これは自分が拳法とか整体なんかの身体運用に興味がある事を覚えていて声を掛けてくれているのだな。)と理解しつつ話を聞いた結果、この誘いを断りました。(この時は)
10代の頃にはマンガや小説映画などで中国拳法を中心とした武術の世界にずいぶん惹かれた思い出があり、その中で太極拳はその技の独特な手法からか強く印象に残っていたので学べる機会があるのならばいつかはやってみたいとは思っていたのですが、都合の悪い事に今の仕事には夜勤あり休みの曜日も毎週異なる勤務なので教室に定期的に通えないだろうと思っての事でした。いや、本当はそう言い訳を作って諦めたと言うのが正直な気持ちだったのです。
ずっと武術に興味を持ちながらそうやって自分に言い訳をして始める事をして来なかった。そう言えば最近めっきり足が上がらなくなって来たしお腹の周りもどんどん膨らんできている。五十肩もやって左肩も思うように上がらないし股関節も固くなってきているような気がする…。幼なじみに太極拳に誘われてから数日間そんな事を考えながら過ごしているとふと、昔読んだマンガの台詞が脳裏に浮かんだのです。それは「天命にそって人生を歩むものは、必要な時期に必要な師に出会えるようになっている。」というものでした。私は自分が天命に沿った生き方が出来てるとは思っていませんが、なぜかこの瞬間に「始めるなら今だ!」という思いが高まり体験教室に申し込む事にしたのでした。
体験教室当日は皆さんそうだと思いますが色々と不安がありました。 自分の場合は「教室の内容が思っていたのと違ってないか?」とか「ちゃんと教室に馴染めるか?」とか「先生は怖くないか?」etc…。ドキドキしながら「こんにちは」と挨拶すると皆さんが優しく返事をしてくださり、すると不思議な事に抱えていた不安な気持ちも何処かに消えてしまいました。今にして思えばACOH-Sの「A:明るく」「C:こだわらず」「O:おだやかで」「H:朗らかな」雰囲気がマイナスの気持ちを整えてくれたのだと思います。
体験教室で先生は自分の立ち姿をひと目見るなり、体勢が後傾で体重が踵に寄っている、湧泉を意識してその上に立つ事が大事といった旨の事をおっしゃり、立ち姿勢から丁寧に指導して下さいました。
そしてレッスンに入ると思っていた以上に自分の身体が鈍っていたことを思い知る事になりました。本当に身体がガチガチだったのですね、それでも必死で動いていると先生や他の会員の皆さんが「手首がやわらかいね。」「初めてでこれが出来るのは凄い。」などと少しでも良いところを見つける度に褒めていただけたので(お、これは気持ちいいぞ!)となりまして、あっという間の体験教室でした。もちろん直ぐに入会を決意して先生に伝えると参加曜日の事を聞かれたので、勤務の都合があるので参加出来る曜日で月4回のレッスンを希望すると了承して下さりグループLINEにて皆様にご挨拶。と、これが私のACOHーS入会までの顛末となります。
あれから1年、苦しんだ左肩の痛みもすっかり無くなり、肩甲骨周りの柔軟性は五十肩をやる前よりも向上しました。股関節の使い方や湧泉を意識した立ち方にも目覚め最初のレッスンで出来なかった事も少しずつ出来るようになりました。教室では上達すると皆さんが褒めて下さるのでそれが励みとなっておりますし、わからない所や上手く出来ない動きを「出来る」先輩が丁寧に教えて下さるので本当に有難く感謝を申し上げます。私もいつか「出来る」先輩となって後から入会された会員の方に教えられるように成れればなぁ、と思いながらも今年は太極拳1の習得を目標にして亀も2度見する様なゆっくりとした速度ではありますが功夫(クンフー)を積んで行く所存です。
最後にいつも熱心に指導して下さる先生と親切で明るい会員の皆様いつもありがとうございます。先程も書きましたが ACOH-Sの「A:明るく」「C:こだわらず」「O:おだやかで」「H:朗らかな」雰囲気が大好きです。
この所、新しい会員の方々も増えて来たので面識がない方もいらっしゃると思いますが、ACOHーS通信を切っ掛けに見知り置いて下されば幸いであります。
ふっちゃんへの感想
ふっちゃんから原稿をいただいて読み終えた瞬間に、[文章は人を表す!]と言う言葉が頭をよぎりました。
誠実さ、深さ、優しさ溢れる文章に感動してしまいましたよ。
人間は四十になると、人相に人柄が現れると良く聞きますが、ふっちゃんの人相にもその人間性がそのまま表れているので、時々静かに拝みたくなります。笑
確かに体験の日、緊張が顔にも身体にも滲み出ていて、それをほぐす為にいくつか冗談を言った覚えがあります。
片脚のストレッチでは、とても苦しそうで、まるで拷問にかけられているかの様に身体が悲鳴をあげていましたね。
それも最初の一二カ月で、ずいぶんと身体も締まり、肩甲骨周りもスッキリしてきたのには、わたしも驚きました。
以前のスタジオでは、上級者のクラスがまだ終わらないうちに教室に入り、正座をされて待っていた姿がまたお坊さんの様で、生徒さんの鏡か?と思ってしまいました。
いつも真面目で礼儀正しいふっちゃんは、その姿勢を二年経った今でも貫き、これぞ男らしい生き方と思います。
幸江さんと同じくらい、なかなか仕事で出られない状況ですが、続けて頑張ってくれていること、わたしも応援しています。